BLOG 公式ブログ

2026.09.14/ CODE VEIN公式ブログ

開発者インタビュー:拡張DLC『Mask of Idris』シナリオ編 情念に満ちた「廃棄世界」で描かれるドラマと新たな出会い(談:吉村ディレクター)

今回は、202699日に配信が開始された拡張DLCMask of Idris』の魅力を紹介する開発者インタビューをお届けします。当企画の第1回は、本編とは異なる世界で描かれる物語やテーマにフォーカス。舞台となる「廃棄世界」の制作経緯や、新キャラクターの役割について、吉村 広ディレクターに語っていただきました。


Q1.『Mask of Idris』の舞台を廃棄世界とした理由や、この世界で描いた物語のテーマ、表現したかったことなどを教えてください。

Mask of Idris』で新たな体験を用意するにあたって大切にしたのは、プレイヤーの皆さまが「主人公体験の連続性を感じられる」ことと、「本編で成し遂げたことを無駄にしない」ことでした。

今作は、プレイヤー自らが歴史を改変する体験を主軸としているため、最終的な到達点は、多くの方にとって大団円となるようにストーリーを構築しています。そのため、DLCで向き合うことになる新たな課題として、本編の後日談を描くことは適切ではないと考えました。一方で前日譚にすると、体験の連続性が損なわれてしまうとも考えたのです。

これらを踏まえて、本編の世界の裏に存在する「歴史が分岐した結果、無かったことになったはずの世界」をDLCの舞台として採用しました。本編の世界とは異なる分岐先の世界で、確かにあった悲劇と、そこに宿る人々の情念に触れる――これによって、プレイヤーの皆さまが本編で成し遂げたこと=たどり着いた結末の意味と価値を、改めて感じ取っていただけるとうれしいです。

 

Q2.廃棄世界で出会うもうひとりのルゥの役割や、彼女を通して伝えたかったことを教えてください。

廃棄世界で出会うルゥは、この世界を構築する情念のひとりでありながら、世界の拡張を防ぐという使命を自らに課しています。プレイヤーの皆さまには、異なる世界の悲劇をより鮮明にイメージしていただきたかったため、「悲劇の世界において、主人公と行動を共にしていた存在」として、キャラクターを構築しています。

彼女は、本編の世界のルゥとは別の存在でありながら、その出自や性格、主人公への想いなど、共通点も多いです。ちょっとしたきっかけと、感情の重なりによって悲劇に至ってしまったルゥ。彼女の瞳には、別の世界で生きる主人公の姿がどのように映るのか――切ない感情の交錯が生み出すドラマを、じっくりと噛みしめていただければと思います。

 

Q3.『Mask of Idris』で新たに登場するリヴは、どのような思いで制作されたキャラクターなのでしょうか。

リヴは、キャラクターの成長を表現したいという思いから生まれました。彼女は吸血鬼社会を構築する側の家柄にありながら、その苛烈な性格ゆえに腫物扱いされてきました。そんなリヴが、主人公と共に廃棄世界へと赴き、人々の想いに触れることで自身の価値観を変化させ、精神的に成長を見せることになります。

リヴと出会ったプレイヤーの皆さまは、突然の求婚に驚かれたのではないでしょうか? 出会いはなかなか強烈ですが、共に歩むうちに、彼女の成長を感じると共に、印象も変わっていくと思います。また、廃棄世界のルゥとの対比や、関係性の変化も見どころです。対照的なふたりの間には、出会った当初から緊張が走りますが、一緒に過ごす中で、だんだんと互いへの理解を深めていきます。「やればできるじゃない」というリヴのセリフには、彼女なりの最大限の好意と尊敬の意が込められているのです。

 

Q4.『Mask of Idris』の配信日には、無料アップデートVer2.0も実装されました。このアップデートで追加された「融和の時代」の制作経緯や、描いたテーマなどを教えてください。

「融和の時代」は、今作の発売後、プレイヤーの皆さまの強い要望を受けて制作を決めました。今作の物語は、最終的に歴史改変による大団円へと帰着します。その後の世界については、皆さまの想像にお任せしようと考えていました。ですが、「悲劇を乗り越えて再会した彼らと共に世界を歩みたい」というご意見・要望を多数いただき、それならば、できる限りのことはやろうと、「融和の時代」の制作に踏み切ったのです。

制作の方針として重視したのは、「プレイヤーの皆さまの努力の結果をないがしろにしない」ことと、「仲間たちからの主人公(=皆さま)への想いを伝える」ことでした。

この時代で描かれるのは「結末」ではなく「未来に向けた一歩」です。仲間たちと今一度、一緒に歩む中で、皆さまの分身である主人公、そして本作の世界の住人たちの未来に想いを馳せていただけたら、とてもうれしいです。

BACK