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2026.09.15/ CODE VEIN公式ブログ

開発者インタビュー:拡張DLC『Mask of Idris』アート編 もうひとつの世界を構築するデザインと、キャラクターに込めた想い(談:板倉アートディレクター)

今回は、202699日に配信が開始された拡張DLCMask of Idris』の魅力を紹介する開発者インタビューをお届けします。当企画の第2回は、本編とは印象が大きく異なる「廃棄世界」や、もうひとりのルゥなどのデザインとビジュアルに注目。どのような想いでこの世界が構築されたのかを、アート全般のディレクションを担当した板倉 耕一アートディレクターに語っていただきました。


Q1.『Mask of Idris』の舞台である廃棄世界のビジュアル・アートに込めた想いや、デザインコンセプトを教えてください。

「廃棄世界」は数多くの「消えつつある世界」が情念によってパッチワークのように寄り集まった広大な空間と吉村さんに伺いましたから、無限に広がる雲海の上に浮かぶ島々をイメージし、とっかかりにしました。

浮島は歴史改編で消えていく世界の断片であり、小さく砕けながら消えようとしています。しかし消滅に抗い、浮島をしばりつけて離さないという強力な情念を表現しようとし、浮島同士を縛る情念に「蜘蛛の糸」のモチーフを与えました。
その情念の糸が寄り集まる中心部「情念の紡錘」はその名のとおり、古くからある「糸を紡ぐための紡織具」の形になぞらえています。

当初は「灰となって消えていく無彩色の世界」というイメージで制作が進んでいたんですが、開発の途中で「より攻略に手ごたえのある舞台に感じさせたい」と吉村さんから相談があり、現状の赤く染まった終末的なビジュアルに調整していった流れがあります。
浮島は檻状の巨大なリンネの塔に包まれていますが、それは廃棄世界もまたリンネの特殊な力が関与していると感じさせようとしたためです。
上空にある空間の裂け目は「廃棄世界が分解されてどこかへと消えていく運命」を強調するためであり、より破滅的な印象にアートをまとめました。

 

歯ごたえのある探索体験をドラマティックに盛り上げられたらとの思いでチーム一同が作り上げましたので、ぜひ堪能いただけますとうれしいです。

 

Q2.廃棄世界のルゥについて、本編のルゥとのデザイン面の違いや、キャラクター造形で意識したことなどを教えてください。

本編でも様々な「吸血鬼の仮面」が登場しますが、これは力の昂りに応じて表出したものです。
敵として登場する暴走状態の吸血鬼にも仮面が表出していますが、廃棄世界で出会うルゥの場合は自らが辿った悲劇の中で仮面が表出された形となります。

そして吸血鬼に共通する金継ぎが赤く染まっている原因ですが、これは廃棄世界の影響であると共に、ルゥ自身の情念による腐食によって赤く変質したためです。

そのうえでルゥの胸部に網状の覆いが表現されたのは、この「廃棄世界で出会うルゥ」のデザインを担当された大久保さんのアイデアに由来しています。
ルゥの一番の特徴である胸部分を変えることで「別のルゥであること」を強調しました。
ルゥの大きな苦悩や生き様が感じられるよう、少しグロテスクな金継ぎの造形になっています。
大切な心臓も奥へ隠し、閉ざされた闇の様な表現になっており、廃棄世界で出会ったルゥが歩んできた道のりの過酷さを感じさせています。

 

Q3.『Mask of Idris』では新たな強敵も登場し、終盤にはボスである「情念の主イドリス」と対峙します。これらの設定やデザインについて教えてください。

「情念の主イドリス」のデザインは『Mask of Idris』の物語に関するネタバレを含みますので、ご注意ください。


端的に言うと「情念の主イドリス」はイドリスに対する人々の想いが具現化した存在です。その人々が想像する絶対的な強者を表すために「竜の王」がモチーフになっています。
しかし一方的な想いは虚構ともいえるため、生身ではない機械仕掛けの体になってしまったのです。

情念の主イドリスが持つ「宿業剣イドリス」も同じように、イドリスへの想いを胸に亡くなった人々の情念が、怨念のように絡みついた刀としてデザインされました。

Mask of Idris』を含め、本作で立ちふさがる強敵のデザインは吉村ディレクターが基礎となるアイデアを考えられ、アーティストがそこに肉付けする形で作り出されました。
物語性と強く結びついた造形になっていますので、ぜひ注目いただけますと幸いです。

 

Q4. 『Mask of Idris』と同日に実装された無料アップデートVer2.0にて、バディのキャラクターたちにアナザーカラーが追加されました。新たなカラーを設定するにあたり、どのようなことを意識したのでしょうか。

アナザーカラーはあくまでも「同一人物が別の装いになっている」と感じさせるため、衣装以外の色は変えないように注意しました。
そのうえでせっかくですので、その人物の印象に即しつつも、なるべく印象が変わるように意識して設定しました。

その中でも絆の深い人物同士のカラーリングは意図して合わせています。
親子、親友、姉妹などがそれにあたりますね。


ライルとクレイグは絆を感じさせようとお互いのテーマカラーを交換してみましたが、それぞれのカラーがとても似合うと発見もありました。
ホリーとリコリスは二人の絆の象徴である青いリコリスの花の色から引用しています。
ジョゼは白無垢、リーズは巫女がモチーフでして、リーズはきっと姉さんを祝福しようとしているのでしょう。
ルゥはラヴィニア様をイメージし、黒を主体としつつストッキング部分には腕の赤を使わせていただきました。

ライル(アナザーカラー)、クレイグ(アナザーカラー)

ホリー(アナザーカラー)、リコリス(アナザーカラー)

ジョゼ(アナザーカラー)、リーズ(アナザーカラー)

 

Q5.『Mask of Idris』および無料アップデートVer2.0のアートを制作するうえで、大事にしたことや、こだわった点を教えてください。

Mask of Idris』では歯ごたえのある追加シナリオと探索体験が味わえることを念頭にアートを制作しました。
廃棄世界の歪な恐ろしさや悲哀を感じていただけると嬉しいです。


また、「傲慢の血族のエンブレム」がそのまま立体になったようなとある人物にも注目です。とても表情豊かに動かせるようにデザインしました。
赤い宝石の目に浮かぶ金継ぎは「永続性」を象徴するハナミズキがモチーフ。
この人物の表情や台詞は緊迫した状況を和らげてもくれるので、一緒に探索を楽しんでいただけると嬉しいです。

そして物語に決着がついた頃、中に入れるようになる新たな部屋を隅々まで見てください。
あの世界は確かに存在していたのだと。
絆は確かにあったのだと。
……
感じることができるかもしれません。

最後に、過酷な運命を乗り越えたすべてのプレイヤーの皆様へ。
「融和の時代」はその苦悩の果てに掴んだ未来です。
バディたちと共に、穏やかな日々を過ごしていただけますと幸いです!

 


今回は、板倉 耕一アートディレクターに「廃棄世界」やそこで登場するキャラクターやエネミーのデザインについて紹介しました。こだわりの詰まったアートやデザインを、実際のゲーム内でもぜひご覧ください!

次回は、拡張DLC『Mask of Idris』で追加された術式やバディキャラクターのバトルコンセプトについて紹介します。楽しみにお待ちください。

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